生産技術科
●生産技術科の概要
 ものづくり大国である日本において、機械産業はすべての産業の基盤となる重要な分野です。国土が狭く、資源にも乏しい我が国は、技術を売ることによって発展してきました。このため、以前は経験豊富な技術者、いわゆる職人が大勢活躍していました。この職人たちは、長年の勘やコツによって普通の人たちには想像もできないような精密な機械を作り上げてきたのです。
 ところが、今日ではこの「ものづくり」の現場に大きな変化が生まれてきました。コンピュータを駆使したCAD/CAMシステムにより設計から加工までを行い、さらにはロボットにより組み立てまでも自動化した無人工場など次々と新しい技術が生まれてきたのです。これからの製造現場には、日進月歩で進歩する最新技術にも柔軟に対応できる技術者が必要です。
 生産技術科では、次の3項目に特に重点を置き、生産加工分野における幅広い実践技術者の育成を目指しています。

●次代を支える精密加工技術
 私たちの身の回りには、多くの工業製品があふれています。これらはほとんどすべて、機械によって作られています。そして、これらの工業製品を作り出す機械の部品もまた、別の機械によって金属を曲げたり、削ったりして作られています。このような、機械部品を加工するための機械を工作機械とよびます。
 生産技術科では、汎用工作機械を用いた加工実習や、数値制御工作機械による加工実習をとおして、これら機械加工の基礎を身につけ、就職後には超精密加工分野で活躍できる技術者を育成します。
●ものづくりを効率的に行うためのCAD/CAMシステム
 何かを作ろうと思い立ったとき、まず大きさや形を考えます。これが設計です。そして、頭の中で考えたものを、作る人に正確に伝えるために図に表現します。これが製図です。この図の書き方は日本全国で統一されているため、どこの工場でも同じものが作れます。このような設計製図は、従来は紙に定規を使って描いていました。しかし、これをコンピュータの画面上で行うことで大幅に効率化され短時間で設計できるようになりました。これをCADシステムといいます。また、CADによって作られたデータを使って、コンピュータ制御された工作機械を動かすためのプログラムを生成し、加工を行うシステムをCAMといいます。これも、かつては人間が手間暇かけて座標を計算しプログラミングしていたのですが、CAMの出現によって複雑なプログラムも短時間で処理できるようになりました。
 このようにCADやCAMはそれ自体がものづくりを効率的に行う有効なシステムですが、相互に連携することにより、一層その威力を発揮します。
 生産技術科では、CAD/CAMシステムの取り扱い方を基礎から学び、また、数値制御工作機械による加工まで一貫して学ぶことにより、現在の生産現場でも先頭に立って活躍できる技術・技能を身につけることがます。
●高度化するFA生産システム
 近年、ものづくりの最前線である生産工場では、厳しいコスト削減が求められています。このため、従来は人間が行っていた様々な作業をロボットに置き換えることで人件費を削減し、さらには24時間の連続運転も可能にしてきました。工場に配置された各機械をネットワークで接続してコンピュータで制御することにより、加工や組立ばかりでなく部品の供給や搬送までもが自動化されてきたのです。しかし、同時に、各機器の制御は複雑化してきたため、高度な専門知識をもった技術者が不可欠となったのです。
 生産技術科では、生産現場の自動化機構を自在に設計できる能力を養い、さらにコンピュータによる制御技術も習得できる最新のメカトロニクス技術に対応したカリキュラムを用意しています。